【書評】センスは知識からはじまる

 

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

 

 

自分の学生時代の美術の成績はたぶん3か2だと思う。

何故かと言うと記憶にないから。

記憶にないということは普通ぐらいだったはずだ。

 

自分が受けていた美術の授業はほとんどが実技だったと記憶している。

テストでは多少学術的な問題も出たきがするがほとんとおまけみたいなものだった。

できた作品によって成績がつけられる、採点基準も知らずままに。

 

しかし、美術の先生はそれなりに知識があって構図がいいとか、配色がいいとかそういう理由で作品を評価し、成績をつけている。

が、生徒に採点基準は明らかにされていないし先生の「センス」によって決まる。

もちろん、低い成績を付けられた生徒は俺にはセンスがないんだな、といって終わりだ。

だが、絵を描くにしたって最低限、構図や彩色の基礎知識や美術の歴史や有名な画家とかを習って、それから実技にいくというのが筋ではないだろうか。

今の教育環境がどう変わっているかはわからないが、少なからず自分はそういう教育を受けたのである。

 

学校教育で、美術、体育、音楽あたりはこの実技先行型が多いのではないだろうか。

特に体育なんてこういうふうにやればいいっていうものを教わった記憶がまったくない。

 

 

さて、この本は別に美術についての本ではない。

著者の主な仕事としてNTTドコモの「iD」、「くまモン」などがある。

good design company に詳しい。

 

センスとは一体なにか、もはやタイトル通りなのだが著者は先天的なものではなく、「知識にもとづく予測である」と言っている。

センスとはぽんとでてくるものではなく、磨くものだとも言っている。

様々な知識を蓄え、分類することでセンスを磨くことができる。

 

特に重要だと思うのは、分類という得た知識を精査する行動だなと思った。

この商品は何故、他の似た商品より売れているのだろうか、というちょっとした差だとか、オシャレな店の共通点は?といった相違点や共通点を日頃から意識することがセンスを磨くということだろう。